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2007年03月15日

ビジネス社会で存在感を増す個人

ネット社会の進展で、大きく変わったことの一つは、個人事業の可能性が大きく広がったことがあります。一昔前までは、事業を起こすにはある程度の資本、人脈、ノウハウ、専門知識などが必要でした。今、その障壁がものすごく低くなっています。

お小遣い稼ぎ程度のことであれば、さまざまな無料サービスを使って、その場で始められてしまいます。それがうまくいくかどうかは、本人の才能と努力次第ですが、そういう環境がすでに整っているということが重要なのです。Web2.0のキーポイントだと思います。

なんといってもおカネがからむと人間は努力しますから、多彩な才能がその世界にどんどん入っていきます。おカネは仮想でなく現実ですから、仮想社会は単なる仮想でなくなります。米国発の仮想社会Second Lifeでは経済活動も営まれており、1億円以上稼いだ不動産王がいるというニュースが話題になりましたが、これも一つの象徴でしょう。

仮想社会はさておき、個人事業の問題で興味深いのはGoogleのビジネスモデルです。
Googleの2006年7〜9月期の純利益は、前年同期の約1.9倍の7億3336万1000ドル(約867億円)。売上高は同約1.7倍の26億8967万3000ドル(約3178億円)でした。そのほとんどを占めるのが、検索連動型広告からの収入です。

年間1兆円を超えるおカネが企業からGoogleへ、広告費として流れているわけですが、Googleがそのおカネをすべて自社の懐に入れているかというと、そうではありません。Googleが持っているメディアは検索結果ページだけですが、それ以外の無数の提携サイトに、見込み客が拾えそうなコンテンツ内容に連動した広告を表示しています。そして、クリックされると仕入れ代金(成果報酬)を支払います。提携サイトは売り上げを増やそうと、顧客を誘導するためのコンテンツを懸命につくります。こんなビジネスモデルです。

具体的にはGoogle AdWords (アドワーズ=広告を出す)と、Google AdSense(アドセンス=広告を掲載する)のことです。逆のケースもありますが、大きく分けると、企業がAdWordsで出した広告費が、AdSenseを通じて個人に回ってくるという流れがあります。

提携サイトというのは企業のホームページでも個人のブログでも全然区別がないのです。コンテンツがあって、見てくれる人がいればいいのです。個人がGoogleという1兆円超企業の直接の取引先となっており、世界中の企業が投じている膨大な広告宣伝費が還流していく受け皿となっているのです。こんなことは10年前には考えられなかったことです。

従来、広告といえば、企業が企業に出すだけでした。メーカー、サービス会社が大きなメディアを持っているテレビ局、新聞・雑誌社などにおカネを払って宣伝するということです。このモデルでは投じられた広告費は企業から大手メディアに流れるだけで、個人には回ってきません。だから、個人がその利益を享受するためには、大手メディアの社員になるしかないわけです。

Googleの台頭は、この構造が崩れかけていることを示しています。それを可能にしたのはインターネットの技術です。

たとえば企業がある商品の広告宣伝費として300万円の予算を投じるとします。この300万円をどう使うか。300万円で半五段の新聞広告を出してもいい。ラジオ広告でもいい。3つの雑誌にそれぞれ100万円の広告を出してもいい。電車のつり革広告でもいい。

ネットでこの選択肢がものすごく広がりました。300のメディアに1万円ずつ払う方法もあります。3000のメディアに1000円ずつ払っても、3万のメディアに100円ずつ払っても、30万のメディアに10円ずつ払ってもいいのです。費用対効果が高いものが選択されるのです。

個人が簡単にメディア(ブログ、メールマガジンなど)を持てるようになった結果、広告費の受け皿が爆発的に広がったのです。

これは企業と個人の関係に変化をもたらしています。これまでのビジネス社会では、企業が100だとすると、個人は0でした。けれども現在は1とか2とか、あるいは10とか、それ相応の存在感を持てるようになったのです。

個人は単なる消費者ではなく、企業の重要なパートナーにもなりえる。これはWeb2.0時代に、心しておかなければならない視点だと思います。
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